盆栽における鉢は、樹木と一体となって風景を創出する大事な鑑賞ポイントとなります。
盆栽鉢には様々な種類が存在しており、どんな鉢があるのか、そして黒松盆栽に合わせる鉢はどれが良いのかを紹介します。
黒松盆栽に合わせる鉢はどんなものがいいのかな?
盆栽士
ちちりん
はじめまして、ちちりんです。盆栽歴(趣味)3年のサラリーマンです。1軒屋の庭(裏)で200株以上の盆栽苗を育てています。
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盆栽(鑑賞)鉢の種類
盆栽鉢は釉薬(うわぐすり)を塗って焼しめた「色もの」と釉薬を塗らずに焼しめた「泥もの」に大きく分けられます。
釉薬を塗らずに焼いた鉢の中で、低温で焼く「素焼き」と、高温で焼く「焼き締め」に分けられます。土色の渋みは、松柏類と相性がよく見た目も映えます。
そして土の色により、白泥(はくでい)、朱泥(しゅでい)、紅泥(こうでい)、烏泥(うでい)、紫泥(しでい)、梨皮泥(りぴでい)などがあるため、葉や幹の色映りに合わせて、良いものを選びましょう。
釉薬を塗って焼き締めた色ものは、窯業地や色合いにより、青磁、白磁、織部、海鼠、瑠璃、均窯など種類が豊富です。実物や花物盆栽など雑木類によく合います。
なお、釉薬とは焼き物の表面のガラス質の層のことで、多種多様な色・釉調の装飾や強度UP、汚れにくくする役割があります。
仕立て鉢の種類
仕立て中の盆栽用の鉢を紹介します。
盆栽以外でも最も使われているビニールポットです。鉢底ネットが必要ですが、コスパ最強。
ポット栽培で問題となる根巻き(サークリング)を解消できて、根を下に誘導させる効果があるそうです。さらに生長ホルモンが根から地上部に転流され、葉・芽などを肥大させる効果があるそうです。
成形した粘土を700~800℃焼き締めて作った鉢。表面が多孔質なので、通気性・透過性が高い。空気や水を通しやすく、蒸れにくい。
成形した粘土を1000℃の高温で焼き締めて作った鉢。素焼き鉢よりも強度があり、素焼き鉢より通気性・透過性が低い。
ザルで育てることにより、ポットや駄温鉢で育てるよりも早く太くなると言われており、さらに植え替えの手間も省けます。ザル培養については別途紹介します。
植物が育ちやすい環境をコンセプトに作られたジャイロ構造の鉢。3Dプリンタで作られた三次元のメッシュ構造で、通気性・排水性ともに抜群です。
また、ザル培養のような環境なのに、とてもオシャレでかっこいいです。
鑑賞できる仕立て鉢で、ぜひ皆さんにも使ってほしいです。
植木鉢【bachi】黒松盆栽に適した鉢の選び方
力強く、風格のある黒松盆栽を飾るには「泥もの」の鉢が一般的です。
個人的には朱泥や紫泥の長方鉢に植えられた黒松盆栽に惹かれます。鉢の形や大きさは様々なので、樹形に合わせてお好みの鉢を選んでください。
仕立て鉢としては、以下を推奨します。
- 早く太くしたいなら「スリット鉢」か「ザル」
- 木を大事に育てたいなら「駄温鉢」
- オシャレなのに早く太くしたいなら「Gyropot」
まとめ
盆栽における鉢は、大事な鑑賞ポイントです。
一般的に黒松盆栽の鑑賞鉢は「泥もの」と紹介しましたが、特に縛りはありません。あなたが素敵だと思った鉢に大事に育てた黒松盆栽を合わせてあげてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。