このサイトは「黒松盆栽」をテーマにしています。
盆栽にはさまざまな樹種が存在していますが、敢えて黒松盆栽に絞っています。
「どうして黒松盆栽なの?」そんな疑問に対する私なりの答えを黒松盆栽の魅力とともに紹介します。
- 盆栽をはじめてみたいけど、たくさん樹種があって悩んでいる
- 初心者が最初に買うべき盆栽を知りたい
そんな方に読んでほしい記事となっています。
あなたが気に入った樹種を買ってみるのもOKですが、最もおすすめなのは黒松盆栽ですよ!
盆栽士
ちちりん
はじめまして、ちちりんです。盆栽歴(趣味)3年のサラリーマンです。1軒屋の庭(裏)で200株以上の盆栽苗を育てています。
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黒松ってどんな木なの?
日本の美しい自然風景を代表する「白砂青松」で表現されている松は「黒松」です。
潮風に耐え強健な性質があるので、昔から日本各地の海沿いに防風林として植えられてきました。
常緑樹なので、年間を通して緑色で剛直な針状の葉を楽しむことができ、触ると痛いです。
黒松の葉は硬いけど、赤松の葉は柔らかくて痛くないのが特徴です。
自生している松の木を見つけたら、ぜひ触って確かめてみてくださいね。
特徴的な幹肌は黒褐色で、時間の経過と共に荒々しくなります。
この黒い樹皮と力強い姿が印象的で、さらに環境への適応力が高いため育てやすい木として知られています。
また、黒松は自然界では20~30メートルに成長しますが、盆栽にすることで、その大きさをコントロールしつつ、自然の風景を凝縮した形で楽しむことが可能です。
特に「松竹梅」に代表される日本の伝統文化においても、松は長寿や繁栄の象徴とされ、黒松はその中でも強さと威厳を持つ樹種として親しまれています。
黒松がどんな木か、なんとなくわかりましたか?
ここからは黒松盆栽を選ぶ理由を紹介していきます。
理由①:盆栽の基本が学べる
黒松盆栽を管理するためには、剪定や針金かけ、植え替えといった盆栽における基本的な作業が必要となります。
なので、黒松盆栽を育てたり管理していると、盆栽の基本的な手入れ技術を自然と身につけることができます。
特に葉透かしや芽摘みの技術は、黒松盆栽を美しく保つためには欠かせない要素であり、これらの作業を繰り返すことで、他の樹種にも応用できるスキルを習得できます。
また、黒松は乾燥や暑さ、風にも耐えることができるため、多少の環境変化にも耐えて成長します。
適度な盆栽の手入れ作業を経験できる一方で、とても丈夫で育てやすい樹種です。
これから盆栽をはじめる初心者の方には、黒松盆栽をおすすめしたいです。
理由②:黒松盆栽にはたくさんの魅力がある
黒松盆栽は初心者だけでなくベテランの愛好家にもとても人気があり、人気の理由のひとつとして、その独特の魅力があることが挙げられます。
まず1つ目は黒松の樹皮です。
年月を重ねるごとに亀甲状に割れ、盆栽としての風格が増していきます。
この「古木感」は他の樹種では得られない、黒松特有のものです。
2つ目は黒松の針葉です。
成長期の苗木の場合、樹勢が強くてどうしても葉が長くなりがちですが、長年の手入れによって枝数を増やしていくと樹勢が分散されて、年数を重ねるごとに葉は少しずつ短くなります。
葉性は大自然の風情を表現するためには重要な要素となり、年を重ねるごとにその魅力が増していきます。
3つ目は太い幹です。
黒松の幹は太りやすく、育て方次第でその力強さを表現することができます。
この要素も小さな鉢の中に大自然を表現するために、とても大切です。
また、春は美しい新芽が力強く伸びる姿を見ることができ、初夏には生い茂った針葉を楽しむことができます。
秋は芽切り後の力強い2番芽を鑑賞でき、冬場にも針葉が美しい青緑色を保ちます。
常緑樹ですが、このように四季折々の変化を楽しめるのも魅力の一つです。
他にも根張りや立ち上がりなど、他の樹種とも共通した魅力があります。
黒松盆栽は作り方や育て方次第でたくさんの魅力を表現することができます。
あなただけの黒松盆栽を作ってみてくださいね。
理由③:黒松盆栽はさまざまな樹形を表現できる
盆栽の樹種については、こちらの記事で紹介していますが、樹種によっては定番の樹形があります。
例えば、欅(けやき)盆栽では、「箒(ほうき)作り」という樹形が一般的で、欅盆栽で箒作り以外の樹形をみることはほとんどありません。
上記のように樹種によって、一般的に合うと言われている樹形が存在している中、黒松盆栽は、その力強い成長力を活かしてさまざまな樹形を作り出すことができます。
盆栽の樹形には「直幹」「斜幹」「文人木」「双幹」など、さまざまなスタイルがありますが、黒松はこれらのスタイルに対応する柔軟性を持っています。
特に、直幹や模様木の樹形は、黒松の強い幹と長い針葉が引き立つため、非常に美しい仕上がりになります。
また、樹形だけではなく、様々な大きさも似合う樹種で、大品盆栽から小品サイズの黒松盆栽があります。
さらに黒松は枝の伸びが早く、針金かけや剪定を工夫することで自然な曲線を持つ枝を作り出すことができます。
これにより、自然の風景を模したような、柔らかくも力強い樹形を表現することが可能です。
さらに、双幹や多幹のように、複数の幹が調和するスタイルにも挑戦できるため、自分の好みに合わせて自由なデザインを楽しむことができます。
黒松盆栽は、初心者から上級者まで幅広く楽しめる、表現力豊かな樹種と言えます。
あなただけの新たな樹形を表現することもできます。
理由④:世代や国を超えて楽しめる盆栽
黒松盆栽は長寿であることも特徴です。
適切な手入れを行えば、数百年以上にわたり、美しい姿を保ち続けます。
このため、黒松盆栽は世代を超えて受け継がれ、家族の歴史とともに成長する木としても楽しむことができます。
また、世代だけでなく国を超えて受け継がれることもあります。
今や盆栽は、日本だけでなくアジアやヨーロッパ、アメリカなど世界中で人気のある日本の文化です。
日本で作られた盆栽が日本以外の国の人たちと高額な価格で取引されています。
盆栽はただ国内一代限りの楽しみではなく、世界の次世代に引き継ぐことができる「時間と自由の芸術」としての価値も持っています。
理由⑤:黒松盆栽は入手しやすい
黒松は日本全国の海岸沿いで自生している姿をみることができ、松ぼっくりから種を入手することができます。
初心者向けの手頃な価格の苗木を購入することもできたり、上級者向けの高級盆栽として古い黒松盆栽が市場に出回っていることもあります。
なので、ご自身の条件に合わせて適切な黒松を選ぶことができます。
また、盆栽展示会や販売イベントでも黒松盆栽はよく見かけます。
多くの愛好家に人気があるため、アドバイスや技術指導を受けやすい環境が整っています。
「手に入りやすい」、「育てやすい」、「アドバイスや技術指導を受けやすい」
これらは、初心者が盆栽を始める上で重要な要素と言えます。
まとめ
どうして黒松盆栽なのか、伝わりましたか?
育てやすく、手に入りやすいのに、盆栽として魅力がたくさんある。
初心者からベテラン愛好家にも人気が高い樹種となります。
これから盆栽をはじめる方はぜひ、黒松盆栽からはじめてみませんか?
このサイトでは、すこしでも黒松盆栽の魅力を伝え、盆栽を趣味とする人が少しでも増えることを願っています。
最後まて読んでいただき、ありがとうございました。